「獄門島」は「本陣殺人事件」の後に書かれた長編です。戦後すぐの事件(復員、復員詐欺の話がある)で、日本ミステリーの傑作と呼ばれ、今なおファンも多い作品です。金田一耕助の事件で一位を上げるほどの人気です。その人気もあってか、映像化も犬神家の一族、八つ墓村に並んで多め。市川崑監督の獄門島をイメージする人も多いでしょう。
長谷川博己氏主演の獄門島は氏の怪演と終盤の展開もあってか賛否両論です。



獄門島のあらすじ
瀬戸内海に浮かぶ獄門島――――南北朝の時代、海賊が基地としていたこの島に、悪夢のような連続殺人事件が起こった。おなじみ金田一耕助に託された遺言が及ぼす波紋とは!?……その面白さは三つの殺人にそれぞれ異なった見事なトリックの設定。そのトリックを象徴する芭蕉の俳句をしつらえ、俳句と殺人の巧みな結びつけは実に圧巻である。
あらすじより
登場人物 | 作中の役割 |
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金田一耕助 | 私立探偵。死んだ千万太の友人 |
磯川警部 | 岡山編相棒。今回は途中から登場 |
了念和尚 | 千光寺和尚。 |
荒木真喜平 | 獄門島村長。 |
村瀬幸庵 | 獄門島の医者。酒乱。 |
鬼頭千万太(ちまた) | 本鬼頭の跡取り。復員船で金田一に遺言を託して死ぬ |
鬼頭一(はじめ) | 千万太のいとこ。復員予定。本当は死んでいる |
鬼頭早苗 | 一の妹。本鬼頭を切り盛りしている。耕助が惚れた女性 |
鬼頭月代 | 千万太の異母妹。三人姉妹の長女。四人目の被害者 |
鬼頭雪枝 | 千万太の異母妹。三人姉妹の次女。二人目の被害者 |
鬼頭花子 | 千万太の異母妹。三人姉妹の三女。最初の被害者 |
鬼頭与三松 | 千万太、三姉妹の父。気が狂って座敷牢にいる |
鬼頭勝野 | 嘉右衛門の妾 |
鬼頭儀兵衛 | 分鬼頭の長 |
鬼頭志保 | 儀兵衛の妻。本鬼頭の勢いを削ろうと策謀する |
鵜飼章三 | 志保が三姉妹を籠絡するために使っている美少年 |
竹蔵 | 本鬼頭の漁師。潮つくりを担当している |
清水巡査 | 獄門島の巡査 |
軍服の男(海賊の男) | 獄門島に流れ着いた男。三人目の被害者。 |
鬼頭嘉右衛門 | 二年前に亡くなった本鬼頭の長。事件の真犯人。 |
昭和21年9月頃。金田一は友人からの遺言で手紙を持って彼の故郷・獄門島に行く便に乗っていた。その友人、鬼頭千万太は復員船の中でマラリアに罹って死んでしまう。その際に遺言として「俺が死んだら三人の妹がしぬ、いとこがいとこが」と息も絶え絶えに金田一に頼んだ。
「死にたくない。おれは……おれは……死にたくない。……おれがかえってやらないと、三人の妹たちが殺される。……だが……だが……おれはもうだめだ。金田一君、おれの代わりに……おれの代わりに獄門島に行ってくれ。……いつか渡した紹介状……金田一君、おれはいままで黙っていたが、ずっとまえから、きみがだれだかしっていた……本陣殺人事件……おれは新聞で読んでいた……獄門島……行ってくれ、おれの代わりに……三人の妹……おお、いとこが、……おれのいとこが……」
獄門島 P28
同便に乗っていた人間の中には自分の吊り鐘をもらい下げるために手続きを取って帰ってきた和尚――――了念和尚がいた。金田一は宛名の一人だと伺い、和尚に千万太からの紹介状を渡す。その紹介状は了念和尚、村瀬、荒木の三人が連名になっていた。金田一は千万太の最期を話し、お米もあるので滞在したいといえば和尚がうちの寺(千光寺)にこいと引き取った。
和尚の案内で獄門島に着くと、本鬼頭――網元、鬼頭家本家が見える。そこで金田一は美しい女性と出会った。彼女は鬼頭早苗といい、男不在の鬼頭家を切り盛りしている。使いによってやってきた荒木と村瀬と合流し、鬼頭家の中で残り二人と早苗は千万太が死んだことを金田一から聞く。その直後、帯が垂れていないか、鵜飼さんかな、本土の人だと思っておめかししたのに肩透かしなど三人の姦しい声が聞こえた。和尚の声でやってきた三人は美しい三姉妹だがどこか普通の人間ではない危うさを持っていた(今で言う知的○害)。千万太とは異母妹で年子の三人は、異母兄の訃報を聞いても奔放な態度を崩さなかった。

獄門島唯一の床屋で髪をカットしてもらいながら、金田一は獄門島周りの話を聞く。千万太の死はすぐさま島に知れ渡ったが、島民はとても不安がっている。何故そこまで不安がるのか金田一はわからない。鬼頭家はこの辺りの島でもトップクラスの網元で、漁師も世話になっている。特に先代の嘉右衛門はしっかりしていて昨年亡くなったが島を裕福してくれた「太閤様」と呼ばれている。千万太の母親は千万太を生んで死に、後添えをもらって生まれたのが三姉妹でその妻も亡くなっている。彼奴らの父親の与三松は病気で滅多に姿を見せないらしいが、本当は気が狂ってしまっていて鬼頭家の座敷牢に10年近く監禁されている。
早苗の兄の一(はじめ)がビルマから復員してくると戦友から教えてもらい、近々復員予定。三姉妹、妾の勝代、早苗しかいない本鬼頭を取り仕切っているのは早苗で、彼女は荒くれ者の漁師を相手に一歩も引かない女傑だった。最も漁の方は竹蔵という漁師をまとめる潮つくりの名人がいるので問題になっていない模様。獄門島には本鬼頭の他に分鬼頭という網元が存在する。谷を隔てて向かい合う両方は親戚筋だが仲が悪く、跡継ぎの目処が立っていない嘉右衛門は安心できなかったらしい。特に分鬼頭の主人の妻の志保は淀君と呼ばれていて、本鬼頭の勢いを削ぐために鵜飼という美青年を使って三姉妹を籠絡している。
海面を見下ろす台地で双眼鏡で海を見ている巡査と金田一は出会った。獄門島には駐在は一つしか無く、担当も巡査――――清水巡査のみだった。清水巡査は水陸両方の警察を行うが、モーターボートで海を取り締まるため、海のほうが多かった。本土より海賊が荒らし回っているから注意を厳重にしろとお達しがあり、海を見ていたという。
清水は鵜飼は元軍人だといい、近くの山に海賊が根城にしていた城があったことを話す。そこを軍人が根城にし、島民に物資を要求していた。最初は兵隊だからと渡していたが戦争末期になると自棄になり半ば略奪まがいのことをし始めた。島民も激昂し始めたので戦法を変えて鵜飼を同行させてハニートラップをしかけるようになった。特に両鬼頭に出入りするも、嘉右衛門は突っぱねたが三姉妹がすっかり鵜飼にのぼせ上がり、どんどん物資を渡していた。戦争が終わって鵜飼も本土に帰ったが、志保が呼んだとのこと。
和尚より公報で千万太の死亡がはっきりとしたと連絡を受けた。
和尚は近々典座という弟子の了沢に寺を渡す予定だ。既に千万太の通夜の準備が出来たと見えて、本鬼頭の屋敷に向かうところ。書院から出てきた金田一に、和尚は分鬼頭に通夜に出てもらうように伝えて欲しいと使いを頼む。そのままの足で本鬼頭にきて欲しいと言うと、提灯を渡した。つづら折れを降りていく真ん中の部分で、金田一は上がってくる竹蔵と出会う。分鬼頭に使いに行くと金田一が言えば、竹蔵は首を傾げるがそのまま上に登っていった。
嘉右衛門の死亡後、本鬼頭の大事は全て和尚、荒木、村瀬が話し合って決めている。さながら三奉行のように。金田一は千万太の紹介文の宛名が三人連名だったのかここでわかった。
分鬼頭に行き、志保に言付けを伝えれば、昨夜本鬼頭から連絡がきたと志保が話す。儀兵衛の通風が酷いので、こちらも手が離せない、いずれ主人がよくなったらご挨拶に向かうと既に返事を出している――――と。
寺に戻るつづら折れに引き返せば、了沢、和尚、竹蔵の三人が降りてくるのが見えた。和尚は金田一に謝ると、本鬼頭の門に向かう。そこには勝野が花子がいなくなったから見ていないかと探し回っていた。奥に入れば、早苗が復員便りを聞いているらしく、ラジオが流れていた。
第一の事件
通夜がお開きになっても花子の姿が見当たらない。勝野が言うには、三人姉妹の着付けを手伝った際まず花子を行い、次に雪枝、月代と行った。だが二人とも妹がいなくなったと知っても普段の調子を崩さず、そればかりかきらい、うるさいと言っている。花子がいなくなったのはニュースを聞いていた頃合いで夜の18時15分ぐらい。早苗の話に寄れば、確かに着付けの時にはいて、ラジオが気になったのでラジオを聞くため席を外して戻ってきたときにはいなくなっていたという。竹蔵の話で、心当たりを探してみるのはどうかとなったが、その直後に村瀬が鵜飼が寺の方面に登っていくのを見たというので話がそちらに向く。家の中を探したがもう一度探す事にして、島を探すことになった。皆手分けして探す中、金田一は酔っ払いの村瀬を送っていくことになった。

村瀬を送り、夜は真っ暗。寺への向かう道で分鬼頭に行っていた了沢と竹蔵と金田一は合流する。鵜飼は寝てしまっていて聞くことが難しい。ふと上を見上げれば、和尚が登っていくらしく提灯が上に動いていた。了沢が和尚に今後のことを確認しようと上に登っていくので金田一も竹蔵もついていくことにした。
石段の下までさしかかったとき、和尚が了沢を呼ぶ声が聞こえる。すぐに引っ込んだので山門の奥、石段を登っていく。千光寺に入ると和尚は了沢をまた呼んだ。そして金田一もいることを伝えれば、提灯を掲げた。そこで三人はあっと声を呑む。千光寺の渡り廊下に見事な梅の古木があり、世にも奇妙な死体があった。自分の帯で膝を縛られ、吊るされていた。その帯は梅の古木に結びつけられ、さながら蛇のようだった。このような死体になっているのは三姉妹の三女・花子だった。
和尚は慌てて数珠を出し、念仏を唱える。なにやら色々呟いているが、金田一にはある言葉が耳に残った。
「気ちがいじゃが仕方がない。――――」
獄門島 P80
金田一は「気ちがいじゃが仕方がない」という意味を考えながら、竹蔵に村瀬を呼んできてもらうようお願いする。竹蔵が和尚に行ってくると言っても和尚はどこか遠くを見ていて、竹蔵が強く言えば和尚は吃驚して如意を落とす。和尚は荒木も呼んだ方が良いと竹蔵に伝え、清水巡査もいれば駆けつけてもらうように言付けた。
南京錠がねじ切られていて誰かが侵入したと感じた和尚は了沢を呼んだ模様。中に入れば、土足の跡が見え、特に取られた様子がないが、賽銭箱の上に座られた形式があり、煙草の吸い殻が捨ててあった。
雨の中、村瀬と荒木が竹蔵の案内でやってくる。村瀬の検屍によれば、死因は絞殺。ただ後頭部に大きな裂傷があり、殴られて気を失ったところで絞められて殺されたという。正確なものはわからないが死亡推定時刻は今から5時間~6時間前。現在夜の0時30分になるので昨夜(10月5日)の18時30分~19時30分頃に殺されたようだ。
家を抜け出して千光寺にあがってきた可能性
提灯を持って分鬼頭に
竹蔵と別れて分鬼頭に向かう
既に連絡は届いていて返事もしていると解答
上から降りてくる和尚、竹蔵、了沢の三人と合流。そのまま本鬼頭に
四人がつくと同時に18時35分~45分の復員便りも終了
花子が15分に屋敷を出たとしてもすぐに千光寺にやってこず、どこかに寄った可能性があるのが判明した。そして花子は何のために寺に向かう必要があったのかという疑問が生まれたが、これは花子の懐の奥から月代宛ての手紙がポロッと出てきたので、中身を見れば今夜19時、寺で積もる話をしようというものだった。書いた人間が「御存じ」だったが金田一以外のこの場にいる人間は鵜飼だと認識。月代宛ての手紙を花子が弾みで手に入れ、こっそり鵜飼いに会いにいこうとしたのでは、と間が垂れた。村瀬が見た鵜飼の後ろ姿だが、大体18時50分ぐらいの模様。
そしてどうして犯人は花子をあのようなむごい姿にしたのか。それは金田一を悩ませている最大の原因だった。
三つの句

翌朝、千光寺で目覚めた金田一は煙草をつけ、周囲を見る。部屋の中には和尚が夜は寒いから、と持ってきた二枚折りの屏風を目に留める、そこには三枚の絵と俳句があった。ミミズののたくった字でうまく読めないが、それでもそれを書いた人間は「極門」――獄門島の人間の誰か、というのがわかった。苦心して読みといた文字は「おきな」――――したがって松尾芭蕉の句になる。
芭蕉の句と解れば平仮名でも読めば、解読できる。金田一は文字を組み合わせて下記の句を詠んだ。
一枚目が解読できれば二枚目もうまく解読できた。それはこんな句だった。
三枚目も解読しようとするが、こちらは芭蕉では無く基角だった。金田一は基角には詳しくないが、知っている句をあれこれ頭から出してみて、三枚目の句に当てはめて見るも違った。金田一が読めるのは「の」「を」「に」と末尾の「可那(かな)」ぐらいであり、これらを組み合わせると下記の句になる。
金田一があれこれ考えていると、清水巡査が金田一を呼ぶ声が聞こえる。清水巡査は雨の中、海賊船を追い回していたらしく、睡眠不足が窺える。本土の警察と一緒に海賊船とやり合っている中、清水巡査は磯川警部に出会ったという。そして清水巡査は、金田一のことを心配して早く逃げた方がいいと親切心で伝えた。磯川警部から彼が小さな事で獄門島に行く理由がない、きっと何か大きな事が起きるはずだ、金田一から目を離してはいけない、わしも暇を見て獄門島に向かうと清水巡査に話していた。それを聞いて清水巡査は金田一が何かヤバい事をするのではないかと疑っている。
清水巡査は、金田一が千万太の友人で訃報を持ってきた人間だから自分の考えと違っていてしょっ引けないと話す。もし一の友人なら、しょっ引いていたと。千万太は公報も入って死んだのは確実、一が本鬼頭の跡を継ごうにも三姉妹がいるので、その三人を殺してしまないといけない。だから一の友人で彼の刺客として現れ、三姉妹を次々に殺害しているのではないか、と清水巡査は考えていた。その考えに金田一は穴が開くほど彼を凝視し、笑ってみせる。
一はビルマにいるのでニューギニア方面の千万太の訃報はわからない、共犯者を作るぐらいなら自分で殺害した方が何倍も怪しくならない。だが清水巡査は一が山勘を賭けたのではないか、もしくは出征前に千万太と話し合って互いの死のその後の話を話し合っていたのではないかと話した。そしてこんな考えが浮かんだのは島全体を包み込む異質な空気だと言う。
寺の泥棒

朝のお勤めが終わった和尚達が金田一に声を掛ける。食事にしようかと言うので金田一もそれに従う。食事をしながら、和尚は千光寺に入り込んだ賊が本鬼頭に忍び込んでお櫃三人分を平らげてしまったと話した。軍靴の跡が残っており、それらを探ると右側に傷が残っていた。その直後、金田一が反射的に驚いたので皆何があったと金田一は言うが、彼は何でも無く後で話すと言った。清水巡査の金田一への疑惑の目が強くなる。先程の話で清水巡査の疑惑が晴れたと金田一が思っているのがなんとも言えない。彼は磯川警部じゃないんだぞ。
金田一が見つけたものは外側に向く靴跡より内側に向かう靴の方が多く、しかも内側に向かう靴跡は明らかに外側の靴跡の上を踏み荒らしている。これは一体どうなのか考えた結果、金田一は和尚が犯人の正体を知っているのではないかという考えに至る。花子の死体を見つけたときも和尚は怪しげな素振りだったし、金田一や了沢を誘導していたではないか。あれはきっと犯人を逃がすためではないかと。
丹念に寺の前庭を探したのが足跡は見つからない。煙草が見つかっていたと話せば何故それを自分に教えてくれないか、仮にも自分はこの島を預かる警察だと清水巡査は食ってかかる。警察がいないなか勝手に死体を下ろしたり貴重な証拠を集めたりして、証拠隠滅罪で逮捕すると金田一からすれば人が変わったかのように金田一に詰め寄る。私と貴方の中だと宥めれば逆に神経を逆なでたらしく、私は警察で貴方は風来坊、それ以下もないと威丈高に話した。
山門から志保と鵜飼がやってくる。なんでも話を聞いてもらいたいらしい。話を二人にそらした金田一に、ますます清水巡査が疑惑の目を強めているのも知らずに。金田一、悪意を向けられること少ないよね。世間では志保と鵜飼が結託して花子を殺したのではないかと囁かれている。そこで花子は鵜飼に呼ばれて寺に向かったと話せば鵜飼はそんな事をしていないと答えた。月代宛ての手紙を花子が手に入れて寺に向かった可能性が高いといえば、それは確かに志保の言いつけで鵜飼が月代宛てに書いたものだったと二人は話す。志保は、鵜飼と月代はお似合いの夫婦なのでまとめてやろうと考えていた。
鵜飼の話と言えばその事で、昨日の夜村瀬が見た、寺に向かっていたのは確かに自分で、寺の境内で月代を待っても来なかったので諦めて帰ったとのことだった。家に着いたら20時の鐘がなったので、19時30分ぐらいまで待っていたと鵜飼は言う。
鵜飼は和服で洋服は殆ど持っていない。ただ靴は軍靴ではなく兵隊靴だった。月代と鵜飼が手紙のやりとりをするときは、彼女曰く「愛染かづら」の幹に隠してやりとりしていた。本当はノウゼンカズラといって、つづら折れの下の谷に生えている。花子が一番しつこいので恐らく隠し場所も知っていた可能性がある。
千光寺に荒木がやってきて、まだ電話が繋がらないと清水巡査に話す。故障の理由が海底ケーブルにあるようなら、そうなると長引くことは確定。連絡船を使って本土に連絡しようにも結局時間がかかる。警察の到着が遅れるため、花子の死体は話し合って本鬼頭に引き取られることになった。
花子の死体が本鬼頭にやってきて、泣きっぱなしの月代や雪枝、おろおろするだけの勝野とは違い取り乱したりせずテキパキ仕事をしたのは早苗だった。そして粗方対応した後、だれが花子を殺したのか和尚に問いかける。この島は都会じゃないから人間もたかが知れている、一体誰がやったのか、鵜飼でなければその後ろの儀兵衛や志保じゃないかと口にすれば和尚が早苗を一喝した。
第二の事件

本鬼頭でやりとりした後、解散となり皆別れていく。清水巡査が金田一を話がしたいと駐在所に誘えば彼は了承しついていく。駐在所に入ると清水巡査は金田一を留置所に入れて鍵を掛けてしまった。清水巡査は金田一を探偵みたいな怪しい人だという疑念が天元突破し、ついに犯人だと思って閉じ込めてしまった。明日には故障も直るだろうから、本土から警察がくるまで辛抱して欲しい、夜具も入れてあるからと言って出て行ってしまった。貴方は馬鹿なことをしている、勘違いをしている、馬鹿、そんなもんじゃないと金田一は言うが清水巡査は既にいなくなっており、叫べど意味が無い。諦めて自分のおける立場を考えれば笑えてしまった。夜ご飯を食べてそのまま寝てしまったので金田一はその夜何があったのか全くわからなかったのである。
翌朝、故障が直ったらしい電話のベルの音で金田一が起きる。朝だと身体を伸ばせば、清水巡査がのぞき穴から覗き込むように金田一を見て、ここから出なかったかと訊ねる。忍術使いじゃないから抜け出せるはずがないと言えば、清水巡査は自分は大きな勘違いをしていたのかもしれないといって金田一を牢から出す。その様子から何かあったのだと金田一は悟り清水巡査に尋ねる。一緒に来てもらえばわかるから、と金田一を連れて外に出て台地に向かう。海を見下ろす台地には人々が集まっていて、吊り鐘が置かれており、雪枝が着ていた着物の裾がはみ出ていた。
雪枝が吊り鐘の中にいるなら一刻も早く取り出さなければならない。竹蔵の話では、いま櫓を組んで滑車でつり上げるための準備をしているとのこと。ただ犯人はどうやって吊り鐘を持ち上げて雪枝を押し込んだのだろうか。金田一が周囲を見れば、吊り鐘の縁の所に穴が掘ってある。金田一は力学の問題で、てこの原理を使って持ち上げたと話した。少し離れた所に石の台座、台座の奥に松の木があり、草むらに太い棒が捨てられていた。吊り鐘の重さは45貫で意外と軽め。計ってみれば5分の1の重さで持ち上げられるので、9貫の重さを持ち上げられれば、吊り鐘はあがる。見事にてこの原理に必要なものが揃っているので、実験してみる。なお太い棒には台座や吊り鐘でついた傷が残っていた。竹蔵は端っこを掴んでてこの原理で吊り鐘を持ち上げた。後ろの松の木の枝に出っ張ったところがあるのでそこに突き刺せば、吊り鐘は固定され、開いたままだ。中を覗けば死んだ雪枝が座っていた。市川崑監督の映画だと吊り鐘が元に戻って死体の雪枝の首が跳ねられる描写がある。グロい……。
ピンと緊張に我慢が出来ず志保が笑い出した。あべこべな道成寺、本来吊り鐘の中に入るのは安珍役で鵜飼だろう。清姫役の雪枝が入っているのはおかしい。そして三姉妹の母親は女役者で道成寺の鐘入りが得意で、演じているのを与三松に見初められて後添えとなった。殺すならただ殺せば良いのにどうしてこんな道成寺のような殺し方をしたのかと言えば、儀兵衛が流石に窘めて鵜飼と一緒に志保を連れて帰った。

なお雪枝は生きたまま閉じ込められたのでは無く、首を絞められて絞殺されてから中に押し込められた様子。花子もそうだがどうしてこんな奇妙な殺し方をするのだろうか、人々の疑念はそこにあった。清水巡査は金田一に謝った後、どうして貴方は吊り鐘の一部始終を再現できたのか、犯人か犯人の仲間かはっきりしてほしいと言えば、金田一はあの吊り鐘や梅の木に誓って犯人ではないときっぱり断言した。そのあと櫓が組まれて吊り鐘が引き上げられ、村瀬が検屍を始めた。彼の診察では、殺害時刻は昨日の夜18時から19時の間、凶器は手ぬぐいのようなものによる絞殺だった。
清水巡査は、今そこに水上署のランチが来る。そこには磯川警部という古狸の刑事が乗っている。逃げなくても良いのか、逃げようとしても自分が逃がすはずがないと金田一に渡っていた。
金田一は磯川警部を見る。本陣殺人事件以来、彼もあの頃に比べて年を取っている。大所帯で警察達が獄門島にやってきたのは海賊の捕り物のようだ。金田一と磯川警部は再会し、互いに年を取った、自分は警部として変わらず過ごしていると楽しく言葉を交わした。仲良く話す金田一と磯川警部に清水巡査はゾクリと身体を震わせ、自分の思い違いを理解し驚いた。磯川警部から獄門島の事件の話を聞けば、それは向こうで話しましょうと金田一は案内する。
海賊の一味を追い込んだとき、海賊の一人が海に飛び込み、逃げてしまった。その男がこの獄門島に流れ着いたのではと警察は考え、装備をして乗り込んできたという。金田一は磯川警部から話を聞き、千光寺の泥棒や煙草のことを掛け合わせ、その泥棒が取り逃した海賊ではないかと考えた。だがそこで思考は暗礁に乗り上げる。その海賊と、今回の事件ではまるで関わりが無いからだ。そして和尚がその男を庇うような行動の意味もわからない。
清水巡査は話を聞いて、村瀬がその男と格闘し左腕を怪我していると話していたのを思い出す。ただ村瀬は酒乱なため、歩いているところを足を滑らせて左腕を折ったのではないかと考えていた。
磯川警部と合流
本鬼頭で金田一は磯川警部に事件の内容を語る。ただ雪枝のときは留置所にいたのでどのようになっていたのか知らない。清水巡査は金田一の正体が不明なので留置所にいれてしまったと言えば、磯川警部は目を丸くした。いい体験が出来たと笑い、自分が言わなかったのが悪いと言った上で、清水巡査に雪枝が殺された夜の内容を話してもらうよう促した。
本鬼頭には、勝野、早苗、雪枝、月代、和尚と了沢がいた。雪枝は生きていて会話もしていた。
勝野と早苗で家中探し回っても見つからず。手分けして探す頃に
清水巡査と荒木、竹蔵と了沢。村瀬は酔っ払っていたので数に数えなかったが出て行ってしまった。和尚は本鬼頭に残った
空は真っ暗で雨はまだ降っていなかった。つづら折れまで来ると、竹蔵たちは寺に、清水巡査たちは海を見下ろす台地の方に向かった。その台地には吊り鐘が置いてあり、周囲を見たが振り袖はなかった。雨がポツポツと降り出した。
清水巡査たちは分鬼頭に向かう。雨が降り出し、風も吹いてくる。分鬼頭では儀兵衛、志保、鵜飼に会うが、三人とも雪枝の事を知らない。鵜飼は外に出ていないと言った。
その後、村瀬のただならぬ声が聞こえたので雪枝のこともあり、清水巡査は声の方に向かった。儀兵衛たちも付いてきた。その際に台地を通った(※通らないと寺に行けないので)が吊り鐘はまだあったらしい(急いでいるので把握し切れていない)。このとき雨が急激に降り出した。
わあわあ訳がわからないことを喚いていて、本鬼頭の裏側から出てきた男と格闘したと話していた。男は体格がよく風呂敷を持っていた、村瀬は顔までは見ていなかった。
雪枝のことも有り、分鬼頭の三人も本鬼頭で一夜を明かした。外に出た者は誰もいない。
朝、帰った直後に血相変えて戻ってきた。雨がまだ降っていた。清水巡査たちは雨の中を駆けつけた
金田一は雨のことをしきりに清水巡査に聞いている。どうして聞くのかといえば、振り袖がぐっしょり濡れていたからである。雪枝の死体は殆ど濡れていなかったが、背中はしっとり濡れていて、泥もついていた。カッパで包んだにしても、背中は濡れている。固定した吊り鐘の中に死体を押し込めるには相応の時間がかかったはず。金田一は現状可能なのは清水巡査たちが分鬼頭に向かってから寺に向かうまでの14分。この時間なら雨もそこまで降っていなかったので可能ではないかと考える。ただ雪枝は18時30分から19時30分に殺害されており、20時40分まで死体をかくして置く必要があったのか、ということになった。
18時30分頃、清水巡査が本鬼頭についたときラジオはかかっていなかった。その後誰もラジオをつけた者はいなかった。早苗は毎日あの時間にラジオをつけ、復員便りを聞いているからである。
関係者の聞き取りを進める中、村瀬が出会った男が怪しいと彼は厳しく追及されたが話した以上の事は出てこない。風呂敷についても勝野と早苗に聞いたが二人とも覚えがないという。磯川警部は一連の犯人がその男ではないかというが金田一は動機が不十分だと答えた。
VS海賊の男
磯川警部を含めた警察は本鬼頭に泊めてもらうことになった。月代に外に出ないように言うが、彼女も流石に妹二人が死んだことに堪えたらしく誰からの呼び出しにも応えない、そればかりか犯人を呪い殺してやるとまで言った。本鬼頭の中に祈祷所があり、そこで祈祷するという。彼女曰く、自分の祈祷は力があると言った。もう少し話を聞こうとしたが磯川警部が呼ぶのでそちらに付いていくことにした。警察の多くは、島の若い者を案内人にして海賊を探しに出かけたという。そして男と遭遇したこと、薪の跡や本鬼頭の風呂敷まで見つかったため、若い者を総動員して山狩りが決定した。
警察は本鬼頭の料理をたらふく食い、山狩りに備える。本鬼頭の風呂敷を早苗に返し、金田一は「今夜、警察が山狩りを決行する、きっと逃げられないだろう、貴女はそれでもいいのか」と問いかければ早苗ははっとして金田一を見た。
そこに竹蔵が月代の姿が見えないと飛び込んでくる。身構える早苗だったが、月代はご祈祷の衣装に着替えてケラケラと笑い、入ってきた。白の水干に緋色の袴、黄金の鈴に烏帽子――――まるで白拍子の姿に金田一は言葉を失う。今からご祈祷をするからと座敷の外に出て行った。金田一は早苗に月代をよく見張ってくれと言う。金田一が見た月代はこれが最後だった。

金田一も山狩りに加勢するが、花子と雪枝の通夜があるのでと荒木はここに残り、終わったら向かうと言っていた。山狩りで砦に向かう中、床屋の男と出会い、実は島民の多くは金田一が犯人だろうと睨んでいたらしい。どこの馬の骨かわからないうえ、花子、雪枝、そして月代を殺して早苗と結婚すれば本鬼頭の財産を手に入れることができるという算段だった。床屋の男は金田一がそんなことするはずが無いと庇っていた模様。今は本陣殺人事件を解決した名探偵だと島民も解っている。本鬼頭先代当主、嘉右衛門が大の芝居好きで多くの島民を招いて芝居を見ていたため、芝居好きの島民が多いらしい。嘉右衛門は遊びには手を出し、床屋の男も俳句に明るかったため、俳句のときには世話になったという。与三松が三姉妹の母親の小夜に手を出して後添えにしたいといったとき、嘉右衛門はえらく反対した。最初の奥さんを亡くしたばかりですぐ綺麗な女役者の小夜に甘い言葉を囁かれては手を握るのも仕方ない、こればかりは嘉右衛門のしくじりだと床屋の男は話す。
小夜も気が強く、与三松を操って嘉右衛門と戦わせていた。小夜の力が強かったためか、嘉右衛門も一気に年を取り、このまま与三松の後添えで網元の妻として君臨できたものの、ご祈祷を行ってしまったために村八分にされてしまった。どんどん信者が増えるのはいいが、和尚にわたりをつけるのを忘れていたり自分が仏教と神道を一緒くたにした宗教のトップだと言ったため、和尚も堪忍袋の尾が切れて立ち上がった。親子対決で中立を保っていた和尚が嘉右衛門側についたため、島民の多くは嘉右衛門側に付く。寺の勢力は長い伝統によるもの、一朝一夕で抜けるものではない。慌てた小夜が予言を言ったり奇抜なご祈祷をするも辟易されてどんどん信者が離れていき、最終的に座敷牢に入れられて死んだという。
鬨の声がなり、海賊らしき男が見つかり、銃を撃ってきてすぐに隠れたという。砦をあら探ししていると茶碗や魚、鍋に大根、米の袋などが見つかった。誰かが登ってくる音がしたので銃を向ければそれは荒木だった。月代は荒木が出てくるときにはご祈祷の声が聞こえていた、村瀬と了沢は皆が帰ってくるまで待っていると話した。和尚はリュウマチが酷くなるので先に寺に戻っていった。
海賊の男の追い込みをかけ、最終的に生け捕りが理想だが殺しても構わないとなる。数発撃てば撃ち返す。だが直後、高い悲鳴が聞こえ、男が落ちていくのが見えた。そこに向かえば一人の男が死んでいた。そして早苗も来ていた。彼女は血反吐を吐き出す声で「兄では無かった」と叫んだ。男の死体には弾丸の跡がなく、銃で撃たれて殺されたのでは無い模様。
第三の事件
通夜の席。村瀬は酒を飲んでいた。了沢が怪我に触ると言っても本人は酒を飲み続けている。金田一に月代を見張って、くれぐれを目を離さないでくれと言っていたと言っても大丈夫だから、自分に任せておけといい勝野に酒を強請る。まだ飲み足りないというので了沢に強請れば了沢はあと一本ですよと取りに向かう。了沢が台所に向かえば勝野が飼っている猫を探していた。そして早苗も見当たらず、きっと男と密会しているんだろうと勝野は愚痴をこぼした。
戻ってくれば村瀬は寝ていて、了沢は銚子を置く。
外で見張りをしている島民と了沢が会話していると、絹を切り裂く女性の声が聞こえる。その声は勝野で、了沢たちが向かえば、彼女は腰を抜かし訳のわからぬ言葉を吐いていた。島民が座敷牢に向かえば、与三松の姿も見当たらない。村瀬も起きてきて勝野の言葉を聞いたが、彼女は猫が……月代が……というばかり。何か言おうとするがろれつが回って巧く言葉に出来ない。ご祈祷の鈴の音もなっているし、問題ないだろうと言うが、勝野が首を振るので了沢がご祈祷所に向かってみようと言った。中に入れば様々な仏像やら何やらがあり、お香が焚かれて巧く見えない。マッチで灯籠に火をつければ、島民が月代の姿を見つけ、声を上げた。月代は仰向けにひっくり返っていて手ぬぐいで殺されていた。

島民達は遅かれ早かれ月代は狙われ殺されるだろうと考えていた。月代が死んでも驚きはしない。だが彼女の死体の上に振りかけられているものはなんだと声を出した。それは萩の花だった。
そして鈴の音が聞こえる。何だろうと下をみて、一同あっとなった。勝野が探していた愛猫が布端に縛られ、その布端の先には黄金の鈴があった。
与三松は寺のつづら折れのところで倒れているのを発見し、座敷牢に戻された。金田一は早苗に問いかける。花子が殺された夜、早苗は怪しげな男を見た。その男が兄の一ではないかと思い込んでしまったと。ただ確証は持てなかったが兄だと考えてしまった早苗は台所に風呂敷を置いてしまった。そしてあれが一だと解った疑いをそらすため、与三松を外に出していた。そして花子達を殺したのはその海賊の男ではないと金田一は行った。海賊の男は後頭部に裂傷があり、その痕は花子の傷とよく似ていた。

ここから獄門島の事件は少しずつ解明されていきます。
獄門島のネタバレ

いっぱい実写化したから犯人わかっている人多いと思います。一番有名なの吊り鐘のトリックだから吊り鐘のイメージがついている人もいるのかも。
獄門島の犯人のネタバレ
鬼頭月代を殺したのは村瀬幸庵、鬼頭雪枝を殺したのは荒木真喜平、鬼頭花子と海賊(軍服の男)を殺したのは了念和尚です。
三人は共犯者では無く、一つ一つの事件として行動していました。そしてこのトリックを作り三人にそれぞれ三姉妹を殺人を命じたのは死んだ鬼頭嘉右衛門です。三姉妹は特に悪いことをしたのでは無いので、余りにも哀れな被害者です。
海賊は今回の事件と全く関係がありませんでした。早苗は海賊を兄の一ではないかと思い(復員していて姿を見せるのを忍んだと考えた)、それとなく支援としていましたが、死骸を見て兄ではないと話しました。
最終的に金田一が復員詐欺で一が死んでいる真実を伝えると、荒木は村を飛び出して行方不明、村瀬は気が狂ってしまい、了念和尚は卒倒して死んでしまいます。
なお、市川崑監督の獄門島では犯人が了念和尚と勝野で、二人は海に身を投げて自害します。
獄門島の犯人の動機のネタバレ
本鬼頭の跡取りと行く末を考えていたから。
息子の与三松は気が狂ってしまったので跡取りから外します。出征した二人の孫のうち、千万太が生きて帰ってくればそれでヨシ、二人が死ねば月代に婿を取らせて跡継ぎに。しかし千万太が死んで一が生きて帰ってきた場合、三人姉妹は邪魔になるため殺害しろというもの。もし実行してもらわなければ七代まで祟ると嘉右衛門は三人に頼んで二日後に死にました。
その条件は一が生きて千万太が死ぬ、吊り鐘が溶かされずに戻ってくると言った物だったので、有り得ないだろうと高をくくっていましたが条件が揃ってしまったので和尚は覚悟を決めて花子を殺しました。それに引き摺られるように荒木は雪枝を、村瀬は月代を殺したのです。
このことを知っていた千万太は自分が生きて帰らなければ妹たちが殺されると確信し、死ぬものかと生き抜いてきたのですが、復員船で死んでしまいます。
見立て殺人
見立て殺人(みたてさつじん)とはあるものに見立てて事件が装飾された殺人のこと。殺人が絡まないものも含めて単に「見立て」とも言い、推理小説におけるテーマの1つである。
見立てる対象によって「童謡殺人」「筋書き殺人」などとも呼ばれる。
見立て殺人 ウィキペディアより
獄門島で有名なのが俳句による見立て殺人。「気ちがいじゃが仕方ない」の意味は「季ちがいじゃが仕方ない」というものです。一時期「気ちがい」がNGワードだったためか、他の言葉に置き換えられていたのですが、全く意味が繋がらなかったり、ん?ってなることも。
鶯の身を逆に初音かな=梅の枝に逆さ吊りにされた花子
むざんかな冑の下のきりぎりす=吊り鐘の下に伏せられていた雪枝
一つ家に遊女も寝たり萩の月=白拍子の格好で倒れていた月代
獄門島のまとめ
嘉右衛門が悪い。
復員詐欺の話も、当時を生きてきた横溝先生だからこそわかる事なんだろうなと思いました。この事件が有名になったので、のちのち「獄門島を解決した~」とかでてきます。この事件の帰りの電車で友人の風間と再会するわけですね。
