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【ネタバレあり】横溝正史・金田一シリーズ!短編集「華やかなる野獣」を紹介

「華やかなる野獣」は昭和51年に初版が刊行し、令和4年に改版が刊行された金田一耕助作品のひとつです。表題の「華やかなる野獣」以外では「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」を収録しています。とくに「暗闇の中の猫」は都会編の生涯のパートナーと呼べる等々力警部との出会いの事件で重要だと思っています。

ゆきんこ

「睡れる花嫁」は別で紹介したので今回は残りの2作を紹介します

目次

華やかなる野獣

臨海莊のホールでは、大勢の男女が集うパーティが催されていた。一夜限りの相手を物色する享楽的な宴が終わろうとした矢先、ベッド・ルームで死体が発見された! 被害者は美しい女主人で、左の乳房をえぐられていた。ボーイに変装し潜入していた金田一耕助は警官たちと取り調べを開始する。だが、事件の裏には大規模な麻薬密売が複雑にからんでいて……。表題作に「暗闇の中の猫」「睡れる花嫁」を加えた傑作本格推理。

最初に被害者の高杉奈々子の赤裸々な人生観や彼女を取り巻く人々の話が書かれます。彼女主催のパーティで奈々子が殺害された際、一緒にいた男も行方不明になっていました。奈々子は発見された際上半身裸でスカートを履いている奇妙な格好でした。着ていたセーターの行方は……?そして物置で一緒にいた男も死体として見つかりますが、彼はズボンを履いていませんでした。

登場人物作中での活躍
金田一耕助私立探偵
高杉奈々子パーティーの女主人。高杉商会のトップ。最初の被害者。
高杉啓一奈々子の異母兄。高杉商会の共同経営者。
葛城京子奈々子の亡父の情婦。
太田寅蔵高杉商会の幹部。
越智悦郎越智商会のトップ。高杉商会の相談役。
鷲尾順三麻薬取締係の警察官。二人目の被害者。
「華やかなる野獣」の犯人のネタバレ

高杉奈々子、鷲尾順三を殺した犯人は越智悦郎です。共犯者に葛城京子がいます。

奈々子と鷲尾の服を奪った理由は、裸で泳いで窓から侵入したが思った以上に時間がかかり潮が引いて泳げなくなり服を奪ってドアから逃げたため。元々越智は奈々子のみを殺す予定でしたが、出て行った鷲尾が戻ってきたので殺しました。

「華やかなる野獣」の犯人の動機

越智と京子が主体となって麻薬密売を行っていたところを奈々子に勘づかれため。

金田一がボーイとなって潜入していたのも奈々子の依頼で麻薬の取引現場を探ってほしいとのこと。鷲尾も麻薬取締係の警察官として協力し、客として潜入。奈々子と一夜を共にすると見せかけて情報交換していましたが、男女の蜜に抗えず本当に一夜を共にしてしまいます。

暗闇の中の猫

金田一が東京に腰を落ち着けてから最初に取りかかった事件です。黒猫亭事件や悪魔が来たりて笛を吹くより前の事件とかかれています。金田一は銀行犯にあった銀行の頭取からの依頼で盗まれたお金を追っている最中に、殺人事件に遭遇します。被害者は「暗闇の中に何かいる……猫だっ! 猫だっ!あっ!」といい殺害された銀行犯の片割れでした

登場人物作中での活躍
金田一耕助私立探偵
等々力警部都会編相棒。金田一と出会う
佐伯誠也銀行犯。最初の被害者。
伊藤雪枝キャバレーのマダム。二人目の被害者。
寺田甚蔵キャバレーのオーナー。
鎌田梧郎キャバレーの用心棒。
江口緋紗子キャバレーのジャズ・シンガー。
日置重介銀行犯の被害の銀行の支店長。
「暗闇の中の猫」の犯人のネタバレ

佐伯誠也を殺したのは伊藤雪枝です。伊藤雪枝は寺田甚蔵を殺すつもりでカクテルに青酸カリをいれましたが、取り替えられ毒の入ったカクテルを飲んで死んでしまいます。

佐伯が言った暗闇の中の猫は、雪枝の事を指します。雪枝は片目が義眼で暗くなるとぼっと光る性質でした。それを見て猫だと称したのです。

「暗闇の中の猫」の犯人の動機

銀行から奪ったお金の取り合い。伊藤雪枝も銀行犯の1人で、キャバレーに隠していましたが取り分を巡って争っていました。寺田甚蔵を殺そうとしたのは、キャバレーの経営権を握ろうと画策していたからです。

「華やかなる野獣」のまとめ

どれも短く読みやすい作品でした。最初の頃にあたる時代の事件のため、金田一も若さがあっていいとおもいます。ボーイに変装するほか、大道芸人にも変装したりするので探偵らしい事してるなあと感じました。終わり方も短編らしくからっとしてるので面白いです。

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画像はこちらからお借りしました

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