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【ネタバレあり】横溝正史・長編「スペードの女王」を紹介

短編集を紹介してきたので今度は金田一の長編の「スペードの女王」を紹介します。「スペードの女王」は角川文庫の記念企画で復刊した金田一耕助シリーズの一つです。「田舎」「因習」「呪われた一族」というお約束はなく、働く女性が多く登場します。

ゆきんこ

個人的に終わり方がスカッとする作品です

目次

横溝先生は登場人物名の使いまわしが多め?

短編集を読んでいてとくに思ったのですが、登場人物の名前が被ることが多いなと感じました。有名な「犬神家」はかぶりませんが、本陣殺人事件の「一柳家」はそれ以降の長編や短編でも出てきます。横溝先生は作品をたくさん執筆されていたので毎回名前を考えるのが面倒だったのかな、という結論に至りました。

「スペードの女王」のあらすじ

片瀬の沖に浮かんでいた若い女の変死体。その女の首はなく、内股にはスペードのクイーンをあしらった刺青があった!
警察の調べにより、今は亡き名人彫り物師・彫亀の作で、全く同じ刺青をしたもう一人の女も、行方不明であることが判明した。いったい殺されたのはどちらの女なのか? そして彫亀が2人目の女にほどこした細工とは?
複雑にからみ合う謎に金田一耕助が挑む。横溝正史がサスペンス豊かに描いた、本格推理小説。

「スペードの女王」より

初版は昭和51年2月。今から40年近く前の作品です。いわゆる「顔のない殺人」の事件です。これと似たような事件は「黒猫亭殺人事件」が有名ですね。

「スペードの女王」の登場人物

登場人物作中での活躍
金田一耕助私立探偵
坂口キク事件の依頼人。名彫り物師・彫亀の妻。小料理屋を営む
坂口亀三郎通称「彫亀」と呼ばれた有名な彫り物師。ある女性に依頼され、かつて自分が彫った「スペードの女王」を同じ場所にそっくり彫る。寄合の帰り道、殺害される。
スペードの女王が彫られた女首なし死体で発見された身元不明の女性。内股に「スペードの女王」が彫られている。事件の2人目の被害者
前田浜子ペンギン書房の婦人記者。事件の4人目の被害者
前田豊子浜子の姉で米国軍人の「オンリー」の女性。行方不明。
山上八郎ペンギン書房の社長兼編集者。
木谷晴子ペンギン書房の事務員。
神崎八百子XYZのホステス。岩永の愛人で内股に「スペードの女王」が彫られている。
岩永久蔵汚職にまみれた成金で神崎八百子のパトロン。事件の3人目の被害者
伊丹辰男岩永の知り合いで自称・秘書
陳隆芳日本の麻薬密売業界の大ボス。事件前に亡くなっている
スペードの女王陳の妾。陳側の使者も行っている。内股にスペードの女王が彫られていて猫目石の指輪をつけている。陳が亡くなった後の麻薬ルートを牛耳っている

ひとまずはネタバレなしで記載しています。なお警察関係は割愛しました。
殺された順番としては、坂口亀三郎→スペードの女王(仮)→岩永久蔵→前田浜子という順番になり、スペードの女王の身元が不明で、二人の行方不明の女性が捜査線上に上がっているので、計五人が殺害されています。

はじまりは坂口キクによる旦那の不審な死の依頼

坂口キクという女性が、数か月前に死んだ旦那・坂口亀三郎は事故死ではなく他殺ではないかと思い、金田一に依頼をしたのが始まりです。そのときにキクは、亀三郎が死ぬ数日前にきた奇妙な依頼を話します。ベールをかぶった女による、とある部屋で眠った女性に自分と同じ場所(内股)に「スペードの女王」の刺青を彫ってほしいもの。連れてこられた場所は目隠しで特定できず、防音設備がある部屋でした。

その依頼をこなしてから数日後、彫り物師の寄合を夜9時ぐらいに立ったあと、深夜1時ぐらいに亀三郎が死んでいるのが発見されます。亀三郎の死は単なる災難、事故として処理されました。しかしキクが事件性があるのではと感じたのは、新聞で「首無し死体のスペードの女王」という事件の切り抜きを見たからです。

麻薬王・陳とその愛人「スペードの女王」

この「スペードの女王」とは何なのかと金田一が警察に向かうと、等々力警部を筆頭とした警察側も事件の捜査に乗り出すところでした。そこで麻薬捜査官の警部補の情報を得て「スペードの女王」が麻薬密売人・陳の妾であることや陳が死亡したこと、陳の麻薬ルートを握っていることが判明します。

前田浜子とのすれ違い

ペンギン書房で働いてる記者・前田浜子は怪しい男の電話を受けた後、首無しスペードの女王の死体を新聞で見つけ、怯えます。家に電話しますが、「姉」は帰っておらずますます疑惑を深めました。そこでかつて一度だけ面会した名探偵・金田一耕助に電話して取次ぎを願いますが、あいにく彼は関西に出かけていて留守と言われて落胆。
彼女はとりあえず死体を確認するべく死体が安置されている病院に向かいますが、その直前に金田一に手紙を書きポストに投函しました。

坂口キクの依頼が金田一が関西から帰ってきてすぐなので、前田浜子はそれより前に電話するも接触できなかった、ということです(坂口キクが持ってきた新聞を、既に前田浜子は見ている)。

「スペードの女王」が彫られた女が二人いる

首なし死体の身元は、その特徴ある水着から高級バーXYZのホステス「神崎八百子」ではないかと彼女の同僚たちが証言します。同時に神崎八百子の内股がスペードの女王の刺青があったこと、戦後の成金・岩永久蔵の愛人パトロンだということも判明。

しかし金田一は、生前の坂口亀三郎の証言からスペードの女王が二人いる可能性を提言。事件の数か月前に坂口亀三郎が彫ったスペードの女王の女と、昔彫ったスペードの女王の女があるので、これは神崎八百子ではなく別の身代わりの女ではないのかと話します。そして病院では金田一たちが来るより少し前に、死体を確認したいと前田浜子なる女性が面会に来たことも発覚します。

岩永久蔵が高級バーXYZの2階で変死していて……

いっぽう渦中の高級バーXYZでは、連絡がつかなくなっている岩永久蔵がバーXYZの2階の神崎八百子の部屋で死んでいました。発見者は岩永の奥さんで、岩永の愛人が変死して夫が帰ってこないため、元々いる秘書に銘じて思い切って彼がいそうな場所をこじ開けさせると、彼が死んでいたということでした。しかも相当抵抗しての死亡だった模様です。

岩永久蔵の死亡事件のアリバイを確認し再現するため、岩永久蔵の所有車であるマーキュリーを運転して彼の居宅に戻ったところ、トランクのカギがかかっています。そのトランクを業者に銘じて開けさせると、なんとトランクの中には前田浜子の死体が入っていました。

前田浜子が残した手紙で事件の謎が判明

金田一の事務所の管理人から、金田一の関係者の名をかたって前田浜子から手紙が届いているかという電話があったことが判明しました。その時、管理人は手紙はきていないと答えたといいます。それを聞いた金田一は、誰かが自分の名を出して前田浜子の手紙を郵便ポストから横取りしようと考えていると理解。警察と協力して郵便局に依頼して自分宛の封筒を探してもらいます。そして自分の事務所の周囲に、自分の関係者だとうそぶいたこの事件の犯人がいると直感で悟ります。警察が張り込んでいましたが相手はピストルをもって発砲までしてきたため取り逃がしてしまいます。

郵便局では前田浜子が金田一宛に生前出した封筒が発見されます。そこに書かれていた手紙には、今回の事件を悩ませていた「身代わりの女」の正体や、事件の謎と意外な人間との関係が事細かに書かれていました。

ゆきんこ

ここから下は犯人などのネタバレなどを含みます。トリックなどは記載していませんが自分で読みたい人は上記のサイトで買って楽しもう!

スペードの女王のネタバレ

犯人や動機も記載しているため、苦手な方は回れ右してください。
ここにいたるまでの金田一耕助の努力や警察の攻防もありますし、映像化されている長編作品とは違った金田一耕助の地道な活動や警察との接触方法も凝っているので、ぜひとも読んでいただきたい作品です。

ここからは「スペードの女王」のネタバレ・真相になります。

個人的にはかなり面白く映像化してほしい長編タイトルのひとつ

ぱくたそよりお借りしました

犯人の動機や正体はさておき、そこに行きつくまでの金田一の奮闘や登場人物のすれ違い、手紙のやりとりなど、連絡方法が発達していなかった昭和ならではの事件なので、ぜひとも映像化しててんやわんやしてほしいと思っています。トリックはそこまで難しくないのですが、いかんせん「スペードの女王の首なし死体」の正体が意外な方法でわかるのも横溝正史作品ならではだな、と思ってしまいます。あと犯人の往生際の悪さも

特に終盤、犯人を逃がさず追い詰めるために金田一が警察と特殊な方法で連絡を取り合ったり、目立たない格好で数時間粘ったりする等々力警部たちの奮闘は、映像で見ればすごく映えると思います。

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長編まとめはこちら

今回のサムネはこちらからお借りしました

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