一番最初のシリーズで紹介した「悪魔の寵児」ですが、やはり単独でレビューをあげたいとおもって書きます。いかにこの作品がエログロに満ちているかを知ってもらいたい。ネタバレや犯人、動機などは下記の記事を見れば載っています。
そして今作は珍しいことにJET先生作画でコミカライズされています。名作なので読める機会があれば読んでほしいです。
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「悪魔の寵児」のあらすじ
胸をはだけ、乳房をむき出しに折り重なって発見された男女。すでに、女は息たえ、白い肌には不気味な死斑が浮き出ていた……。
角川文庫「悪魔の寵児」より
情死を暗示する奇妙な挨拶状を遺して死んだ美しい人妻。不倫の恋の清算か? 闇行為で財を成したしたたかな実業家の周辺につぎつぎに起こる猟奇殺人事件!
ジメジメと湿った雨の日に、亡霊のようにあらわれる<雨男>、消えた死体の謎。名探偵金田一耕助の鮮やかな推理の冴え!
今回の事件は今まで紹介した事件では「幽霊男」「吸血蛾」系統です。つまりたくさん被害者がでて、被害者に落ち度がなく、しかもセンシティブな情景で死体が発見されるということです。このような事件も横溝正史作品には数多く見られますが、やはり実写化となると難しいようで、どうしても地方の事件に集中してしまいますね。だからアニメ化すればいいんだよ、と
「悪魔の寵児」の登場人物
登場人物 | 作中での立ち位置 |
---|---|
金田一耕助 | 私立探偵。友人の風間俊六からの経由で登場 |
雨男 | 今回の事件の犯人。悪魔の寵児と後世で呼ばれる |
水上三太 | 新聞記者。早苗に惚れている。 |
風間欣吾 | 成り上がり実業家。 |
風間美樹子 | 欣吾の本妻で華族・五藤家の娘。有島子爵の元妻で最初の犠牲者 |
城妙子 | 欣吾の愛人でバーカステロのマダム。六番目の犠牲者。 |
保坂君代 | 欣吾の愛人で美容院経営者(渋谷のマダム)。二人目の犠牲者。 |
宮武益枝 | 欣吾の愛人で洋裁店の経営者(池袋のマダム)。三人目の犠牲者。 |
有島忠弘 | 元華族・有島子爵。美樹子の先夫。七番目の犠牲者。 |
石川宏 | 美樹子のツバメと呼ばれる若手画家で心中未遂で入院中。風間欣吾と及川澄子の婚外子。 |
石川早苗 | 妙子のバーで働くホステスで欣吾の愛人のひとり。石川宏のいとこ。 |
望月種子 | 欣吾の元妻。蝋人形屋敷を運営。サド。五人目の犠牲者。 |
黒田亀吉 | 腕のいい人形作り師で種子の愛人。人形職人。マゾ。四人目の犠牲者。 |
湯浅朱美 | 銀幕の大スターで欣吾の最後の愛人。有島忠弘の妻 |
及川澄子 | 欣吾が最初に付き合った女中で既に亡くなっている。 |
今回の事件の特徴の一つに「夜歩く」「八つ墓村」「迷路の花嫁」にあった、視点が金田一耕助(探偵)ではなく作中の人物によるものーーーーー「信用できない語り手」が組み込まれています。悪魔の寵児のメイン視点は「水上三太」という新聞記者で、金田一をライバル視しています。
「そうすると、ぼくも好敵手にして恩人なる人物に、こんやここで対面できるわけですね」
悪魔の寵児 P160
はじまりは雨の日、挨拶状を依頼した「雨男」
吉祥寺の日月堂というハガキや名刺も取り扱っているお店にレインコートを着た男がやってきます。マスクをしてうまく声質が聞き取れない中で、彼は自分を石川宏といい風間美樹子という女性と旅に出るハガキを100枚ぐらいすってほしいとスタッフに依頼します。内金も受け取り、ハガキを作成するときに連名となった二人の名字が違うなとおもった程度でした。
銀座の高級バーカステロに通う新聞記者、水上三太。彼は故郷から結婚をせっつかれているものの、仕事が忙しいからと断っています。彼はこのカステロのホステス・早苗に惚れていてなんとか口説き落とそうと必死です。
そんな折、カステロのマダム・妙子は風間欣吾の愛人の一人。彼女に呼ばれた三太は奥の部屋に案内されます。そこには早苗がいました。妙子がもつハガキは雨男が日月堂に依頼したハガキであり、そこに連名で書かれている石川宏は早苗の兄だからです。
一度風間邸に連絡しても、美樹子は自家用車で歌舞伎座に行って留守。その後も同じハガキを受け取った他の愛人からも電話を受け取り、ますます不安になった妙子は再度電話しますが美樹子は帰ってきていません。
心中未遂していたのは風間美樹子と彼女の愛人の石川宏
ハガキを受け取った妙子たちや早苗は兄・宏と早苗が住む家に帰ってきました。宏がいないか探しますが、彼らはベッドの上で抱き合うような姿で発見されます。まるで心中しているように。
石川宏はなんとか一命をとりとめましたが、美樹子は死んでいました。ただ薬で中枢をやられているためか、人物の区別がつかなかったり、放浪することがあるとのことです。(妹の早苗の認識や会話はできる)
美樹子は風雲児と呼ばれる実業家「風間欣吾」の正妻であり、華族「五藤伯爵」の一人娘です。元々は有島忠弘子爵の妻でしたが、戦後の苛烈な生活を生きていくだけの力が彼らには有りませんでした。風間欣吾は実業家として成功しており、五島家に近づき、有島家に手を伸ばしていきました。風間は見合い結婚で美樹子と結ばれたわけではなく、かつて奉公していた五藤家から嫁いだ子爵・有島家の当主忠弘に金を払って有島忠弘の妻だった美樹子を自分の妻にしたのです。また邸宅ももらいました。しかし風間欣吾と風間美樹子の間に子供はいませんでした。
美樹子は着物を着ていたようですが帯留めがありません。帯を抑える帯留めがないのが不自然だと彼女がいた部屋を早苗が探しますが見つかりません。この間にも風間欣吾が駆けつけたり、医者を呼んだり付き添ったりと慌ただしくしているなかで現場にあった美樹子の死体が忽然と消えてしまったのです。
風間欣吾には公式で4人の愛人がいる
渦中の男となった風間欣吾はおおよそ人には自慢できない結婚履歴の男でした。結婚相手に選ぶのは自分が出世できる家柄の女性のみで、それが醜女であろうと彼には関係ありませんでした。そもそも風間美樹子を有島子爵から奪う前……戦前は望月種子という女性と結婚していました。望月種子の父親は陸軍の大将で、彼は戦後裁判で処刑されています。
美樹子は華族の女で旦那に絶対服従の教育を受けていた女性のため、エネルギッシュな欣吾にとっては物足りなかったのでしょう。彼は自分で店を興して稼ぐ4人の女性を愛人にしています。彼女たちは相互に繋がり連絡を取り合っています。城妙子・保坂君代、宮武益枝・湯浅朱美の4人です。かつてのフランス王朝であった公式愛妾に近いですね。
このあたりで風間欣吾は風間俊六を通じて金田一耕助に事件解決の依頼をしています。
蝋人形職人・黒田亀吉に雨男からの依頼
風間欣吾のかつての妻・望月種子は鶯谷で蝋人形館を運営しています。その館にある見事な蝋人形は彼女に絶対服従の職人・黒田亀吉(通称黒亀)によるもの。黒田亀吉制作の蝋人形・生き人形はとても評判がよく有名です。彼もかつて妻子がいたのですが、種子と出会い自分の嗜好を満たしてくれたため、あっさりと妻子や弟子を捨てて種子に服従しています。
水上三太が種子と黒亀が怪しいとにらみ、夜に侵入すると保坂君代・城妙子・宮武益枝・湯浅朱美・風間美樹子の見事な蝋人形が飾られていました。(このとき他猫に命を狙われた三太を助けたのは金田一耕助)
そんな黒田亀吉のところに雨合羽を着た「雨男」が蝋人形の依頼を送りました。時間厳守と言い、お金もいくらかおいてそのままいなくなってしまいます。この写真に写った裸体と全く同じように作って欲しいという依頼人。黒田亀吉は言われた通り写真に写った人間の生き人形を作成に取りかかります。明らかに隠し撮りされた写真の主は保坂君代でした。
二人目の被害者
保坂君代の経営するブーケ美容院が丸の内進出となりそのパーティが開かれることに。三太は君代から招待状をもらったと言い、風間欣吾と情報交換をしています。その招待状を見るや、欣吾は急いで金田一に言付けを頼みます。三太に送られた招待状は偽物だったからです。
そして欣吾は雨男より届けられた封筒を三太に見せます。その中には裸の君代がいて、場所は欣吾の寝室。明らかに隠し撮りされている写真でした。欣吾にこういう趣味はなく、二人の閨房(寝室)が第三者によって覗かれているといえます。渦中の保坂君代は得意先の着付けを弟子としていましたが、手紙を受け取るとびっくりして美容院をでていってしまいました。それを電話で聞いた三太と欣吾は急いで向かいますが、後の祭り。君代は既に雨男の手に落ちていました。
保坂君代が運営する美容院の丸の内進出を祝ってのパーティ。政財界の名士が集まっているパーティですが、主役の君代の姿が見当たらないとなり、重い空気が漂います。代理人を名乗る男からは「午後七時半ぐらいにくる」と女性に伝えていました。参列者には望月種子や黒亀、有島忠弘や金田一耕助もいました。
湯浅朱美が歌う背後で、欣吾たちは君代からだと大きな箱を早苗から受け取ります。いかにも怪しく、察する人も中にはイたのではないでしょうか。南京錠がかかっている箱をほどき、その箱を開くとーーーーー花束に敷きつけられたなかに裸の男女が抱き合っています。男は風間欣吾の生き人形、そして女は行方不明となっていた保坂君代の死体でした。この死体の恐ろしいところは、保坂君代の死体は風間欣吾の生き人形に犯されているのです。
ここでようやく警察登場
三人目と四人目の犠牲者
保坂君代の事件、美樹子と宏の心中事件がここで世間に公開されます。しかし美樹子の死体が見つかません。かわりに早苗が雨男のレインコートを発見し伝えると、そのなかに探していた彼女の帯留めがありました。そして警察は重要参考人の石川兄妹を一番安全な風間欣吾のところに連れていくつもりでしたが、車のエンジンが壊されそれに気を取られている間に二人は雨男によって誘拐されてしまいます。早苗は翌日発見されましたが宏は見つかりませんでした。
欣吾は雨男は明らかに自分の周りの女を狙い、決定的な打撃を与えようとしている、だからこそ次に狙われるのが自分の愛人の城妙子と宮武益枝ではないかと話します。事実、妙子も益枝も君代の一見以来欣吾とは手を切ろうと距離を取っていました。
望月蝋人形を探るも成果がでず、悶々と数ヶ月が経過したときに事件が起きました。妙子と益枝はあるバーで落ち合い、二人同時に欣吾との別れ話をしましたが止められました。お酒を飲んでいた益枝が自分の自動車を探してたのが妙子がみた彼女の最後の姿でした。
その後、どこかわからないラバックのような場所で、媚薬を嗅がされて正常な状態ではない宮武益枝の裸体がベッドに有りました。夢心血で心あらずの彼女はここがどこなのかわかっていません。その近くにはレインコートに黒縁メガネに手袋をした「雨男」。法悦の表情を見せる益枝に対し、無慈悲にも雨男は彼女の首に力を込めるのでした。
そして警察が本拠地にしている風間欣吾の屋敷に、黒亀も行方不明だと水上三太から連絡が入ります。欣吾は金田一耕助に「何故及川澄子という女性の存在を調べているのですか?」と尋ねます。欣吾にとっては彼女(及川澄子)は走馬灯のような存在であり、言われてやっとそんな女性がいたなという程度の存在でした。三太から聞いた言葉に苦笑する金田一ですが調べている理由は話しません。
それから再び三太から連絡が入ります。それは宮武益枝の死体を奇妙な相棒とセットで成城のアトリエで発見した、という内容でした。成城のアトリエの中には全裸の男女が抱き合い交合ったまま死んでいました。女性側は宮武益枝なのですが、男性側は先ほど行方不明と連絡があった黒亀でした。
益枝の膣内にあった精液を検索するとO型で、黒亀はB型です。O型に該当する男性は風間欣吾や水上三太、有島忠弘、そして金田一耕助でした。そのためその精液から犯人を割り出す作戦は却下になります。ただ石川宏だけはB型でした。
このアトリエの持ち主は今回の話とは全く関係ない人で、斜陽族の華族のぼっちゃんが残した残骸みたいなもの
発見された石川宏と……
功名心に燃える水上三太は再び望月蝋人形館を探索しにいきます。定期的にこの屋敷を探っている中である程度の見取り図を把握した彼は、啜り泣くような声を聞きます。その声は隠された地下部屋からで、三太は部屋のドライバーなどで扉を開けます。その部屋には猿ぐつわをはめられ、動けないように薬を打たれベッドで四肢を拘束されている石川宏の姿がありました。三太は一端地下室を扉を閉めて地下をでて中二階に向かいます。
三太の目的は欣吾の正妻・美樹子の生き人形。警察の調べで問題ないとありますが、調べてから2ヶ月以上が経過していました。その生き人形に誘惑を感じた彼は力を込めて殴ります。ガラガラと崩れた生き人形からは、行方不明となった美樹子の死体がでてきました。
五人目の被害者
大切な相棒かつ愛人の黒亀を殺された望月種子の精神は静かに狂っていました。元々欣吾への復讐心が強い種子は彼と一緒の部屋で待たされた事に対する屈辱がありました。種子は以前の取り調べで自分には「神の啓示」があると話しており、その言葉を信じて動いていました。金田一耕助の質問でその啓示が「電話」でくることがわかります。どんな内容だったか尋ねますが、このとき彼女の精神は完全に崩壊してしまい、立ち上がったままとりとめのない言葉を話すばかりで、声の主が誰なのかついにわかりませんでした。
美樹子の死体や宏の発見のときは既に種子は精神病院に収監されていました。食事も殆どとらず、一日中部屋の中を歩いで歩いて精根尽きて椅子で眠ります。ベッドでは眠りません。食事をとらないことで看護師もこれにはあきれ果て、仕方ないので今日の食事のオートミールとハムエッグをおいて看護師は部屋からでて鍵をかけます。種子はそれを不思議そうに、歩きながらオートミールの皿を手に取ってすくって食べます。そのオートミールには毒が仕込まれてました。彼女の死体が発見されるのはそれから数刻後、金田一耕助と等々力警部が彼女に欣吾について尋ねようとやってきたときでした。
狙われた金田一耕助
調べ物をして憔悴気味だった金田一耕助の体を後ろから車で跳ねます。横っ飛びに吹っ飛び、道ばたの溝に足を取られてつんのめります。そのとき左肩に焼け付く疼痛を感じました。金田一が頭を下げたとき、車には雨男の姿がありました。消音ピストルで彼を狙いましたが、狙いははずれ、どこかで音がなりました。
大量出血で面会謝絶の金田一耕助に対して輸血を申し出たのは風間欣吾でした。彼もO型だったからです。個人的な希望で輸血を申し出た三太は了解しますが、欣吾が輸血直後の身の回りの世話を女中ではなく早苗に依頼した事に複雑な気分を覚えます。欣吾が女性に飢えている貪食家を嫌って程知っている三太は、最後の愛人朱美だけでは飽き足らないのではないかと、怒りを覚えました。
しかし三太は等々力警部より、有島忠弘の行方を知らないかと尋ねられます。有島より欣吾に売りつけたいものがあると執拗に迫るため、欣吾も了承してホテルで待ち合わせとなりました。しかし時間になっても有島の姿は見えず、あろう事か行方不明となっているのです。
六人目と七人目の被害者
有島と欣吾が取引をしようと指定したホテルで、風間欣吾の愛人城妙子と、有島の死体が発見されます。妙子は全裸にされて椅子に座って鉄の鎖で縛られていました。その側には行方不明の有島の死体もありますが、二人の姿は君代や益枝と同様の交合いではありませんでした。有島は妙子の前にひれ伏し、鼻眼鏡をつけ写真を首から提げた格好でした。そして有島のポケットから欣吾と朱美の逢い引きシーンを盗み撮りしたフィルムが発見されました。
妙子の死後、彼女のバーの従業員は、有島と妙子に関係があることを証言しました。有島は朱美を奪われた腹いせに彼の愛人の妙子を口説いて彼女を落としました。旧華族の美貌の御曹司というステータスは彼女にとって大きな魅力の一つだったではないかと従業員たちは話します。このときの妙子の膣から出てきた精液もO型でした。
この後事件は意外な顛末を迎えます
「悪魔の寵児」のネタバレ
※※「雨男」の犯人※※
一連の犯人「雨男」の正体はーーーー石川早苗と石川宏です。「啓示」で種子を完全に支配下において自分たちを攫ったり地下室に連れて行っています。
一番安全じゃないかと思われている人が犯人、というパターンですね。金田一耕助も話していますが、この二人一役の「雨男」は長靴を履いて身長をごまかせるので実によくできた姿です。
早苗は一瞬の隙をついて青酸カリを飲んで死に宏は薬で発狂します。
「悪魔の寵児」の犯人の動機
石川宏は風間欣吾の血を引く唯一の息子のため、彼の莫大な財産を、石川早苗は彼の正式な妻の地位。そして彼の子供がほしかった。自分が彼の子供だと認知できる当時の証人はおらず、請求権もない。その忿懣がこのような恐ろしい事件へと駆り立てた。金田一耕助は宏を「エディプス・コンプレックス」と称しています。
欣吾の最後の愛人「湯浅朱美」が彼の子供を身ごもっていると知り、早苗が凶行にでたのもそのため。朱美は金田一に協力して雨男を捕まえる囮役を演じています。捕まった際に彼女のベッドのそばに置かれた精液が入ったアンプルが早苗の動機であり、とてもおぞましく、生々しい。
「悪魔の寵児」の犯人と風間欣吾の関係
風間欣吾は望月種子と結婚する前に付き合っていた女性(=及川澄子)がいて、種子と結婚するときにあっけなく澄子を捨てました。欣吾に捨てられた最、澄子は既に身ごもっており、生まれたのが宏です。彼を産み姉の房子が自分の子として入籍した後に澄子は自殺しています。
そのため早苗と宏は戸籍上二人はなんの繋がりもありません。もしDNA鑑定があればすぐに終わっていたでしょう。
「悪魔の寵児」のまとめ
午後16時頃。
夜22時頃。愛人は城妙子、保坂君代、宮坂益枝
発見したのは三人の愛人と早苗、そして水上三太。石川宏は一命を取り留める
服も何もかも消えてしまった
夜20時同居者の黒田亀吉に追い出されるが24時頃、内部侵入する
望月種子に殺されるところを先に潜入していた金田一に助けられる
夕方頃。 種子に黙って作成し、衣装は無し
夜21時半頃。裸で薬を打たれて朦朧としている君代を殺害
夜19時半頃。ブーケ・ダムール会館で。金田一耕助登場。金田一、欣吾、水上の三人が箱を開く
夜20時頃。警察によって宏のさいごの精神鑑定の予定。警察もいない車に乗って誘拐。このときの「雨男」は望月種子が担った
命に別状はない。石川宏のみ誘拐
夜21時頃。妙子とブルーリボンで今度を話し、お酒を飲んで駐車場で別れたあと
夜18時頃。成城のアトリエ。発見者は水上。黒田亀吉は刺殺
警察に風間欣吾と一緒に配置+黒田亀吉がお告げで殺害されたこと
夜21時頃。望月蝋人形館の地下室にいた。死体は生き人形の中に埋め込まれていた
毒が入っているオートミールを食べて死亡。
夜19時以降。既に風間欣吾ではなく有島忠弘に鞍替えしつつあった
夜20時以降、3階7号室にて。
夜22時頃。車の中の雨男に銃で狙われるが一命を取り留める
赤坂のQホテル。有島は全裸にカメラを持って座っている妙子を取ろうとしている。そんな奇っ怪なポーズ
兄の石川宏には睡眠薬を飲ませるという徹底ぶり
午前1時頃。囮になったのは湯浅朱美。雨男の正体は石川宏と石川早苗
風間欣吾おおおおおおおおおおおおお全部お前のせいじゃあああああああああああああああ!!!!!!!!
となる作品でもあります。渦中の男である風間欣吾は湯浅朱美と結婚すると発表し、彼自身になんの被害もない(まあ世間体とか色々地に落ちましたが)のがなあと思いました。被害者たちになんの落ち度もないだけに後味が悪い作品だなと思います。でも好きな作品です。
金田一耕助シリーズの長編レビューはこちらから!
今回の写真もぱくたそさんよりお借りしました